マルチタスクは本当に悪?タスクスイッチングやデュアルタスクとの違い

マルチタスク

マルチタスクは脳に悪影響、作業効率が落ちる。マルチタスクを鍛えると業務効率がアップする。などなど、結局どっちが正解なの?と疑問をお持ちの方は多いでしょう。

私もそう思ってここ数年いろいろな文献を調べたり、自分自身で試して試行錯誤してきました。

その結果、ある程度こんなマルチタスクだったら自分にとって作業が効率的になる、逆にこんなマルチタスクは作業効率を落としてしまう、といったことがわかってきました。

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マルチタスクをすると脳に何が起こる?

マルチタスクの基本的なことはいろんなところで指摘されているので、サラッとまとめます。マルチタスクの問題点として、以下のようなものが挙げられています。

  • 作業効率が落ちる
  • 脳にストレスがかかりコルチゾール(ストレスホルモン)が増加
  • 注意力、記憶力が低下する
  • ドーパミン中毒になる

まず単純に作業効率が落ちます。一つのことに集中できないので、集中力が分散され、また脳内での処理が追いつかずに混乱します。

その結果脳にストレスがかかり、たとえば海馬(短期記憶を司る部位)にダメージが与えられ、記憶力や注意力が低下すると言われます。

また人間の脳は刺激を求める傾向があります。マルチタスクで作業を切り替え続けると、脳にとって連続で新しい刺激が加わることになります。

この刺激により脳内の快楽物質であるドーパミンが分泌され、ドーパミン中毒になるということです。

人間の脳はマルチタスクができない!実際はタスクスイッチング

パソコンは高度な処理を同時進行でこなします。しかし、人間の脳はそのようにはできていません。人間の脳はマルチタスクができないのです。

では二つのことを同時にやるときに何が起こっていかというと、高速で処理を切り替えています。これをタスクスイッチングと言います。

つまり、マルチタスクと思ってやっていたことは実はタスクスイッチングだったということです。

以下のようなイメージです。

【マルチタスクのイメージ】
音楽を聴く
━━━━━━━━━━━━━━━
文章を書く
━━━━━━━━━━━━━━━

【タスクスイッチングのイメージ】
音学 文章 音楽 文章 音楽
━━━━━━━━━━

並行してやっているつもりが、実は交互にやっていた、ということです。

本当にタスクスイッチングしてるの?

実際はマルチタスクではなくタスクスイッチングをやっていた、という説明を見て、なんかおかしいな・・・?と思われた方も多いのではないでしょうか。

私もそう思いました。なぜなら、たとえば音楽を聴きながら何か作業をしているとき、そんなにせわしなくタスクスイッチングしている感覚がないからです。

音楽を聴きながら勉強したら集中できる、という人も多いと思いますが、本当にタスクスイッチングが起こっていたら集中力は明らかに低下するでしょう。

つまり、複数のことを同時にやっていても、タスクスイッチングが起こっていない場合も多々ある、ということです。

無音よりもある程度の雑音があった方が集中できるという人もいますが、タスクスイッチングが起こっていたら集中できないでしょう。

タスクスイッチングが起こらない組み合わせ

ではどうすればタスクスイッチングが起こらないのか、という疑問が出てきます。これに関して明確なことは解明されていないようですが、以下のようなことはある程度はっきりしています。

  • デュアルタスクならタスクスイッチングは起こらない
  • 脳の別の部位を使っていればタスクスイッチングは起こらない
  • メインタスクに集中している間はタスクスイッチングは起こらない

特にデュアルタスクについては明確に結論が出ているようです。

デュアルタスクならタスクスイッチングは起こらない

デュアルタスクとは、運動+デスクワーク、のように体を動かすことと頭を使うことの組み合わせです。

この場合、並行してもマルチタスク、タスクスイッチングにはならないということです。互いに干渉することはなく、むしろ脳が活性化して作業効率がアップすると言われています。

ただし激しすぎる運動だと脳が働かなくなるので、たとえば軽いウォーキングやバイクを軽く漕ぐ程度の運動に限ります。

私自身もいっときバイクデスクにハマっていました。

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バイクを漕ぎながら作業できるので、運動にもなります。最近はマイブームの関係でスタンディングデスクでバランスボードに乗ったりステッパーを使用することが多いですが、バイクも有効だと思います。

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このステッパーは前向きと後ろ向きの両方の向きで乗ることが可能で、それぞれ異なる刺激が入ります。飽きを防止する上でも良いと感じました。

ちなみに私のは緑です。メンタリストのDaiGoさんなどスタンディングデスクを推奨している人の中では、ステッパーを踏みながらの作業が一般的ですね。

脳の別の部位を使っていればタスクスイッチングは起こらない

脳の別の部位を使っていればタスクスイッチングは起こらないので、上で紹介したようにデュアルタスクは有効です。

しかし、たとえば、「テレビを見る+デスクワーク」「音楽を聴く+デスクワーク」などではある程度脳の領域が重複します。

つまり頭を使う作業同士だと、完全に脳の使用領域を分けることは難しいでしょう。

メインタスクに集中している間はタスクスイッチングは起こらない

タスクスイッチングが起こるのは、意識が切り替わるためです。たとえばパソコンに何か入力しながら人と会話した場合、意識はパソコンに向いたり会話に向いたりしているはずです。

一方で、心地よいBGMや、少しの雑音の中で作業した場合はどうでしょうか?人にもよりますが、むしろ集中力がアップして作業がはかどった、というケースも多いはずです。

このとき意識は作業の方に向いていて、BGMや雑音にはたまにしか意識が向いていない、もしくはほとんど耳に入っていないでしょう。

イメージとしては、以下のような感じです。

【BGMを聴きながらの作業】

作業        BGM 作業
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

基本的に作業に集中していて、たまにBGMに意識が回ります。適度に作業から意識がそれることで、無意識のうちにリフレッシュしているということです。

ちなみに集中力が持続できている状態では無音がベストと言われますが、その場合シンプルに以下のようなイメージでしょう。

【無音での作業(理想)】

作業       
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

要するにずっと集中が続けば理想的です。間にBGMに意識が逸れることもないので、ベストな集中と言えるでしょう。

しかし、現実は以下のようになる場合が多いです。

【無音での作業(現実)】

作業       集中力切れ  居眠りやYouTube
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

この例は調子が悪いときですが、実際こんなことも多いはずです。BGMを聴きながら作業するとBGMに意識が逸れることもありますが、適度にリフレッシュすることでかえって集中力を維持しやすい場合もある、ということです。

集中力がアップするマルチタスク

厳密にはタスクスイッチングを頻繁に起こさないマルチタスクということです。メインタスクに集中しつつ、たまに意識が逸れてリフレッシュできるくらいのマルチタスクが理想的ということです。

具体的にどんなマルチタスクが良いかは、私が数年間実践して試してみました。

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人によって意識が逸れる対象などはバラバラだと思うので、あくまでも参考程度です。

いろいろと試行錯誤してみるのがおすすめです。マルチタスク、ながら仕事は生産性を下げると言われていて、その通りかもしれません。

しかし戦略的にうまく活用すれば長時間快適に作業できる武器にもなるので、ぜひ検討してみてください。

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