フリーランスに資格は必要か?資格を取れば仕事がもらえるのか?

資格の勉強

フリーランスの仕事に資格は必要なのか、資格があった方が仕事がもらえるのか、資格がないとできない仕事もあるのか、といった疑問をお持ちの方も多いかもしれません。

資格があった方が有利なら、先に資格を取得してからフリーランスになった方が良いのではないか、といった発想も出てくるでしょう。

そこで、フリーランスと資格の関係について解説します。先にこのページの要点をまとめておくと、以下のようになります。

このページの要点

  • 資格があれば信用力につながる場合もある
  • 資格の有効性は仕事内容による
  • ただし資格よりも実績の方が重要
  • 仕事内容が明確でないのなら、資格よりも実績作りを優先した方が良い
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フリーランスにとっての資格の価値は信用度アップ

フリーランスにとっての資格のメリットは、顧客からの信用度アップです。もちろん、弁護士、会計士、税理士など資格がないとできない業種に関しては、信用以前に資格が必須になります。

そうではなく、資格が必須ではないのにあえて資格を取る場合、その目的は信用力です。

フリーランスにとって資格の優先度はあまり高くない

フリーランスが資格を取得する目的は信用力ということでした。そうすると、フリーランス、もしくはフリーランスになるに当たって資格を取得すべきなのか、という疑問が出てきます。結論としては、「資格の優先度はそこまで高くない」となります。

理由はシンプルで、資格よりも実績の方が重要だからです。資格の勉強をする時間があるのなら、できることから実績作りを始めた方がメリットがあります

詳細は後述しますが、簡単な仕事ならすぐにでももらうことが可能です。簡単で誰でもできる仕事ほど高いお金にはならないのですが、実績になります。

その実績をより高い報酬を支払ってくれる顧客に対してアピールすれば、より大きな仕事をもらえます。そしてほとんどの場合、顧客は資格よりもこの実績を重視しています。

私自身もプログラミングの仕事を外注化したことがありますが、応募していただいた際は資格よりも実績を重視します。過去に似たようなシステムを作った経験や、そのシステムを提示していただければ資格も学歴もまったく関係なく高評価です。

なぜなら仕事を依頼している側は「なんらかの成果物を納品してほしい」と依頼しているからです。「なんらかの資格試験に合格してください」という依頼であれば、似たような資格を持っている方なら成功しそうな気がします。

しかし資格試験に合格する依頼などなくて、あくまでも欲しいのは成果物です。つまり資格よりも過去の実績の方が明らかに成果物に直結するデータで、なおかつ過去の成果物を提示してもらえれば何よりも明確な根拠になるということです。

職種ごとの資格の評価

評価

どの職種でも資格より実績が重要ということでしたが、職種によって資格の影響はやや異なってきます。そこで、職種ごとに資格がどのような影響をもたらすのか紹介します。

プログラマーの資格の影響は小さい

私自身プログラマーとして仕事を受注したことも発注したこともありますが、資格の影響は小さいです。資格よりも、スキルや実績の方が重視されます。特に過去に作った作品を提示できれば、資格よりも役立ちます。

また初めての仕事で実績を示せないということであれば、単価が低く簡単な仕事を受託するのがおすすめです。これなら実績がなくても受注できる可能性が高く、お金こそあまり儲かりませんが次の仕事を受注する際の実績になります。

資格を取るよりもコストパフォーマンスが高いです。ただし、顧客によっては資格をある程度評価するケースもあります。特に言語関連、データベース関連、国家資格は評価されるケースもあるので、まったく役立たないわけではありません。

しかし同じ労力なら実際に仕事を受けた方がお金を稼ぎながら資格よりも役立つ実績につながるので、フリーランスの仕事のためにあえて資格を取得する必要はないと言えるでしょう。

WEB・グラフィックなどのデザイナー系の資格の影響はもっと小さい

私自身WEBデザイン(HTML、CSS、JavaScript)などは扱えますが、デザインを仕事にしているわけではありません。またグラフィックに関してはまったくの素人で、ソフトの使い方すらほとんど知りません。

とはいえチームでプロジェクトを進行する際にはその中にフリーランスのデザイナーの方が参画していることがありました。そういう意味で関わりはあるのですが、資格は重視されていないでしょう。

デザイナー系の場合特に資格試験の内容はあくまでも基本的なことで、デザインは個々のスキル、センスの問題です。資格は最低限の基礎ができているという指標にしかならないので、実績の方がより重要でしょう。プログラマー以上に資格の影響は小さいと思います。

WEBライター・ディレクターも資格の影響は小さい

WEBサイトの記事を執筆するライターやその記事を含めてサイトの管理を行うWEBディレクターも資格の影響は小さいです。私自身自分のサイトではなく外部サイトのWEBライター、WEBディレクターの仕事は今も継続しています。

具体的にはサイト内の記事を書いたり、ライターの採用業務なども担当しています。そして採用時には、資格はまったく重視しません。私は採用される側、採用する側両方の経験がありますが、私自身は資格を重視しておらず、他の担当者も資格を重視している様子はまったくありません。

記事を書くのと資格はまったく関係ないので、評価項目に入っていないだけでなく、確認すらされていないケースも多いでしょう。資格を取得するよりも、記事の執筆などで実績を積み重ね、その実績を提示した方が説得力があります。

コンサル系は資格でアピールできる可能性もある

上で紹介した職種では、資格があまり役立ちませんでした。その理由として、お互いがある程度の知識を持った上で受発注するケースが多いからです。たとえば受注する側も発注する側もプログラミングの知識があれば、資格よりも実績を見た方がスキルがよくわかります。

一方で、コンサル系の仕事の場合、相手はコンサルの素人、自分はコンサルのプロ、という構図になるケースがほとんどです。

つまり、相手にとってこちらのスキルを適正に図ることが難しいのです。こういった場合、資格のアピールが有効に働くケースもあるでしょう。ただし、これもあくまで顧客がどう判断するかです。

コンサルの素人であっても資格ではなく実績のみで判断する顧客もいるでしょうし、逆に資格を持っていることでなんとなく良いイメージを持つ顧客もいるかもしれません。

結局のところ顧客次第になってしまうのですが、実際に成果を出す、という観点では資格よりも実績が役立つと思います。顧客にアピールするために資格を取得するのも一つの手ですが、同じ労力を割くなら実践で実績とスキルを積み上げた方が、実力的にもアピール的にも良い気はします。

ただし戦略的に資格の取得も有効ではあるので、最終的には本人の判断に委ねられます。

その他の職種の資格について

結論が同じなのでその他で一括りにさせていただきますが、具体的には以下の職種です。

  • イラストレーター
  • カメラマン
  • 占い師
  • プロゲーマーなどの特殊な職種

これらの職種では、資格はほとんど、もっと言えば一切必要ないと言えるでしょう。イラストレーターもカメラマンも資格ではなく、いかに良い作品を作るかが重要です。顧客としても、「資格よりも過去の作品を見せてほしい」と考えるのが自然です。

占い師に関しても、「私は資格を持っているのであなたの未来が見えます」と言っても説得力はないはずです。もはやボケの領域です。資格ではなく信頼を得るための雰囲気作りや話術が重要でしょう。

もちろん占いそのものの感性的なものも重要かもしれません。

プロゲーマーは勝つことが重要で、他の特殊な職業についてもそもそも資格がないかもしれません。セルフブランディングの手段として、「弁護士なのに何でも屋をやっている」「医師免許を持っているのに大道芸をやっている」などは強みになるかもしれません。

しかしこれは資格の効果というよりは資格をギャップの演出に利用しているだけなので、特殊事例でしょう。ちなみに上の例は適当なので、実在する人物を参考にしたわけではありません。

資格よりも仕事をすることと仕事のための勉強が重要

仕事

フリーランスを目指す、もしくはフリーランスとして今後より稼いでいきたいなら、資格取得よりも仕事そのものに労力と時間を割いた方が効率的です。また勉強するのであれば、資格取得ではなく仕事に必要な勉強に集中した方が良いでしょう。

仕事をしても実績とその場の収入にしかならず、資格は目に見える形として残る、という違いがあります。そのため目に見える資格を取った方が今後のフリーランス人生に役立つのではないか、という理屈もたしかにわかります。

しかし実態として資格よりも実績が評価されており、それは資格よりも実績の方が仕事に役立つからです。顧客は「仕事を希望の条件で完遂してくれる人」を探しており、それを見極めるためには資格よりも実績の方が直結します。

資格は形に残る分アピールしやすいかもしれませんが、仕事のアピールは仕事でした方が効率的ということでした。

まだ職種が決まっていない方へ

フリーランスとして活動するには資格よりも実績が重要だということでしたが、「そもそも何で生計を立てていくか決まっていない」という方もいるかと思います。とりあえずフリーランスになりたいけれど、何のフリーランスか決まっていない、という状態です。

この場合、「とにかく今のスキルでできることで仕事を受けてみる」のがおすすめです。特別なスキルがなくてもできる仕事はたくさんあります。このような仕事は単価が低いのですが、後からスキルアップして単価の高い仕事を受けていくことも可能です。

何をすれば良いのかわからない、お金を自分で稼ぐ感覚がわからない、どんな勉強をすればどのくらいお金が稼げるのかわからない、といった状況でやみくもに情報収集や勉強を続けても非効率的です。

とりあえず今できる仕事をやってみて、そこから課題や今後のプランを考え、調整していくと良いでしょう。

仕事の取り方はいろいろありますが、サイトを利用するのがもっとも簡単です。具体的には、以下の2サイトはテレビCMでも流れているので有名でしょう。

クラウドワークス
  • 単価の低い仕事から高い仕事まで様々
  • ライティング、プログラミング、データ入力(ライティングより簡単な、ひたすら商品情報をエクセルに入力する作業など)の仕事がある
  • クライアントと連絡を取って受けるタイプの仕事(プロジェクト)、単発で勝手に始められる仕事(タスク)の両方がある
  • 継続すればサイト内での評価が上がる
ランサーズ
  • 単価の低い仕事から高い仕事まで様々
  • ライティング、プログラミング、データ入力などの仕事がある
  • クライアントと連絡を取って受けるタイプの仕事(プロジェクト)、単発で勝手に始められる仕事(タスク)の両方がある
  • 継続すればサイト内での評価が上がる

この2つは有名かつどちらも見ておいた方が仕事が見つかりやすいので、両方登録しておくのがおすすめです。個人的にはクラウドワークスの方が使いやすくて好きではあります。

具体的な仕事としては、まずはデータ入力や簡単なタスク型のライティングにチャレンジすると良いでしょう。たとえば指定された項目をエクセルに転記するだけの仕事や、過去の恋愛・スマホアプリ・商品・飲食店などの体験談を執筆する、といった仕事もあります。

これらの仕事は特別なスキルが求められるわけではなく、ほぼ誰でもできます。その分単価は低いのですが数をこなせば生活できるレベルの収入にはなります。

またここで稼ぐ感覚をつかんだら、よりレベルの高いライティングに挑戦したり、プログラミングを勉強して簡単な仕事から受注してみるようなことも可能です。

私自身もともと文章を書くのが苦手だったので、毎日数千~2万文字程度をひたすら書く、ということを半年程度やっていました。

その結果、今はクラウドワークスやランサーズで、高単価のライティング案件をもらえており、クラウドワークスではトップ100人に選出されています。

簡単で誰でもできることからでも良いので、徹底して続けることが重要です。そこから課題や今後のプランを考え、勉強もしつつステップアップしていけば良いのです。

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