フリーランスのモチベーション管理方法について解説します。フリーランスのモチベーション管理についてはいろいろなことが言われていて、実際のところ人それぞれ方法は異なります。
私自身いろいろな方法を試してきましたが、結果的に「短期目標」と「長期目標」を設定することがモチベーション管理のすべてだと感じています。
その他のモチベーション管理方法も紹介しつつ、なぜ短期目標と長期目標が重要なのかご説明します。
モチベーション管理方法一覧
モチベーション管理方法としては、以下のようなものが挙げられます。
- 時間管理を明確にする
- スケジュール管理をする
- ToDoリストを作る
- 在宅でも身なりを整える
- 規則正しい生活をする
- やりたくないことにも意義を見出す
- 仲間やライバルを作る
- プライベートを充実させてメリハリを付ける
以上のような方法が挙げられるでしょう。
私自身、最後の「プライベートを充実させる」以外はすべて試した経験があります。そして、結果的にモチベーションは上がりませんでした。もちろんこれらの方法を否定しているわけではなく、これでモチベーションが上がるならそれは素晴らしいことだと思います。
しかしこれではモチベーションが上がらない人もいるということです。
なぜ上記の方法でモチベーションが上がらなかったのか
モチベーションが上がらなかった原因を自分なりに考察しました。そして、以下のように結論付けました。
「明確なメリットになっていないから」「目標・目的に対して単なる手段でしかないから」
屁理屈やひねくれた発想に思えるかもしれませんが、私が実際にやってみて思ったことを以下に記載します。上で箇条書きした項目に対応させる形で記載していきます。
「時間管理」「スケジュール管理」「ToDoリスト」についてですが、これらは私にとって単なる手段です。最低限に抑え、むしろなるべく自由度を上げたいと考えています。
「時間、スケジュール、やらなければならないことに縛られる → モチベーション」
というつながりは正直まったく理解できません。管理ノウハウは単なる手段でしかありません。
「身なり」についても、着替えたからやる気が出るとは思いません。会社員時代も、スーツを着たらむしろテンションは下がっていました。逆に、スーツを脱いで自由になったときの方がテンションは上がります。
「規則正しい生活」は体調管理という意味では効果的かもしれませんが、モチベーションとは関係ないように思えます。規則正しい生活をしている会社員はみんなやる気があるのかと言えば、たぶんそんなことはないでしょう。人それぞれのはずです。
「やりたくないことにも意義を見出す」については多少効果はあるかもしれません。ただそんなに意義なんて見つからないですし、私の場合意義というよりは目的のための踏み台くらいに考えた方がまだモチベーションにつながりました。
「仲間やライバルを作る」については、その人の性格によっては効果的かもしれません。ただ私の場合特に効果は感じられませんでした。理由は人と競うよりも自分の成長を楽しみたいからです。
たとえば私は学生時代に柔道、陸上競技でそれなりの実績を出した経験があり、どちらも兵庫県で上位入賞、ギリギリで近畿大会には出られなかった、という実績です。
はっきり言って中途半端ではありますが、少なくとも同じ階級、同じ種目で出場している人の中の上位10%には入っているでしょう。兵庫県で4位だったとして、同じ競技枠で出場している人が市や地区も含めると兵庫県に少なくとも40人程度は存在すると考えられるからです。
たとえば男子中学生の柔道人口は全国で23,718人、47都道府県で割ると504人です。階級は7階級あるので、504人÷7階級=72人です。
適当な計算ではありますが、兵庫県は人口が比較的多いため、実際はもう少し人数は多いでしょう。
このように一応きちんと練習してそれなりの成果につながっていますが、その際も仲間意識やライバル意識は持っていませんでした。以下のような認識でした。
短期目標:日々の練習で相手に勝つこと
手段・課題:筋力強化、技のトライ&エラー
モチベーション:目標達成に必要な実力が日々養われていること
こんな感じだったと思います。長くなるので割愛しますが、大学受験なんかでも同じような構図が成り立っていたことでしょう。
目標に近づいている、日々成長しているということが何よりの喜びなのです。
最後に「プライベートの充実」についてはよくわかりません。プライベートが充実しているからやる気が出るのではなく、どちらかと言うとプライベートを充実させるために仕事をやっているような気がします。
実際私のプライベートはそんなに充実していませんが、特に気にしていません。
モチベーション管理は目標設定がすべて
これは私の性格の問題もあるのかもしれませんが、「目標設定がすべて」だと考えています。上でよくあるモチベーション管理方法を紹介しましたが、私の場合すべて「目標達成のための手段」にしかなりませんでした。
これが万人に共通するかどうかはわかりません。特に会社員の方だと、営業成績、スキルアップ、出世などを目標にしていても、リターンが少なくてあまりやる気が出ない、制度上努力があまり報われない、なんてことも多いかもしれません。
またそもそも会社に縛られているため、会社の縛りに沿って行動するよりは、自分で縛りを作って行動した方がまだモチベーションが上がるということかもしれません。たしかに時間管理にしても、人に決められるよりは自分で決めた方がまだやる気は出るかもしれません。
しかしフリーランスの場合特に周りからの制約がなく、自分の努力がダイレクトに自分に跳ね返ってきます。ルーティンワークで報酬を得られることはもちろん、新たなチャレンジをして成功すればより大きな成果を得られます。
仮に失敗したとしても、次のチャレンジへのノウハウになります。そのため、私自身の経験上はフリーランスにとって目標設定がすべてで、仕事に関するその他のことは単なる手段に過ぎないのではないか、ということです。
もともと外部からの縛りがないフリーランスにとって、あえて自分を縛ることはモチベーションにはつながらず手段でしかありません。フリーランスの立場を活かすのであれば、目標の達成に向けて労力を割いた方が効率的に思えます。
短期目標と長期目標が必要な理由
フリーランスにとって目標設定がすべてと言えますが、大きな目標だけを設定するのも、逆に目先の目標だけを設定するのもNGです。なぜなら、目標が大きすぎると挫折しやすい、逆に小さすぎるとやりがい・達成感がなくなる、といったことが起こるからです。
具体的な短期目標、長期目標としては以下のようなものが挙げられます。
短期目標
- 今日1日で〇万円稼ぐ
- 欲しい物があるから今月は多めに稼ぐ
- ○○のスキルを身に付ける
- 日々勉強して知識を入れていく
長期目標
- 単価を今より大幅に上げる
- 不労所得を作る
- お金持ちになる
- ほぼ働かなくて良い自由な生活を手に入れる
- 一生生きていけるスキルを身に付ける
- 集中力を圧倒的に高める
目標はより具体的な方が良い、具体的な方が行動の指標になりやすい、とよく言われます。最近は逆に、抽象的な方が臨機応変に動ける分メリットがあるとも言われているようです。
どちらも一理あると思いますが、私の考えとしては、目標は具体的でも抽象的でもどちらでも良いと思います。
人に話す際や自分が目標を達成できているのかを確認する場合、たとえば3年以内に資産1,000万円以上、不労所得で月に100万円以上、といった目標を設定した方が明確です。
しかし目標設定する理由は、あくまでもやるべきことをはっきりさせたり、モチベーションを高めることです。目標が具体的でも抽象的でも、それで自分のモチベーションが上がるのなら問題ないと思います。
短期目標はハードルを低く、長期目標はハードルを高く
目標のハードルは高い方が燃える、ハードルが低い方がすぐにやる気が出る、など意見は人それぞれです。
私の意見としては、ハードルの高い目標とハードルの低い目標、どちらも設定しておけば良いと思います。
そして私の場合、短期目標のハードルを低めに設定し、長期目標のハードルを高めに設定することが多いです。理由としては、そうすることで日々の成功体験を積み重ね、より大きな目標を達成するモチベーションにつながると考えているからです。
たとえば以下のようなものになります。前半が短期目標、後半が長期目標です。
- 受託ライティングだけで今日は1万円以上、今月いっぱいで80万円以上
- 今月中にゲーム開発の基礎を身に付け、今年中には一人でそれなりのクオリティのゲームを作れるようにする
- 今日はサイトを1記事更新、今年中に500記事を目指す
以上のようなイメージです。
目標によってどのくらいの期間が短期でどのくらいの期間が長期かはバラバラです。いずれにしても短期目標を低いハードルで、長期目標を高いハードルで設定しています。
もちろんこれはあくまでも私の場合なので、短期目標も長期目標もハードルを高くする、逆にどちらもハードルを低くする、といった方針でも良いかと思います。結局は自分のモチベーションを上げて、できる限り前向きな気持ちで取り組むことが目的だからです。
あまりおすすめはしませんが、短期目標のハードルを高く、長期目標のハードルを低く設定することも可能でしょう。ただし、そうすると日々の成功体験を積み重ねられずに挫折する可能性があり、なおかつその状態で長期的な高いハードルの目標があってもモチベーションは上がらないかもしれません。
私の場合は短期目標のハードルを低くすることで日々の成功体験を積み重ねてモチベーションを高め、より大きな長期目標にチャレンジしていくスタンスです。短期目標のハードルが高すぎても失敗してやる気がなくなり、長期目標のハードルが低すぎても達成後のメリットが薄い気がしてモチベーションが低下してしまうことは経験積みです。
ルールに縛られずにいろいろ試してみる
自分が前向きに取り組めればそれで良いので、モチベーション管理の方法は自由です。今回紹介した目標設定について私は非常に合理的で間違いない方法だと考えていますが、万人に当てはまるかどうかは正直わかりません。
モチベーション管理のやり方に明確なルールはないので、自分の性格を考えつつ、いろいろ試行錯誤してみるのが良いのではないでしょうか。目標設定をするにしても、より具体的な数値目標を入れた方がやる気が出る人もいれば、抽象的で夢のような目標を設定した方が頑張れる人もいるかもしれません。
たとえ失敗してモチベーションが下がったとしても最終的にモチベーションが上がって前に進めれば問題ないので、モチベーション管理も仕事もトライ&エラーです。