在宅個人事業主の家事按分を解説!家賃、水道光熱費、ネット代など

家事按分

在宅個人事業主は、自宅で生活するとかかるお金を一定割合で経費に計上することができます。これを家事按分と呼びます。自宅での作業で家事按分できるものは、「家賃」「ネット代」「水道光熱費」です。

他には事業でスマホを使う場合は携帯料金を、車を使用する場合はガソリン代も家事按分にできます。在宅で仕事をしている方はあまりこの二つに関しては事業で使用しないかと思うので、主には家賃、ネット代、水道光熱費の三つになるでしょう。

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家事按分の決め方、目安、計算例

一定割合で家事按分できるということでしたが、問題はどのくらいの割合で家事按分できるのかということです。これに関しては明確に基準が決まっているわけではなく、税務署が納得できる理由があれば自由に設定することができます

とはいえ、割合の決め方と割合に相場は存在します。割合が明らかに多すぎると税務署に突っ込まれる可能性があり、なおかつ割合の決定方法が独特過ぎると納得してもらえない可能性があります。

そこで、バランスの良い考え方や相場を把握しておきましょう。具体的には以下の表のようになります。ちなみに在宅でネットを使用するライター、プログラマー、ブロガー、アフィリエイターなどを想定しています。

項目 決め方 目安 計算例
家賃 仕事で使っている床面積の割合など 30~60%程度 [床面積の4割を使用している場合]
家賃 × 0.4
ネット代 使用日数、使用時間の割合など 50~70%程度 [ネット代が年間8万円、ネットを仕事に使うのが週5日の場合]
5日 ÷ 7日 ≒ 0.7(70%)
8万円 × 0.7 = 5万6000円
電気代 使用時間、コンセントの数など 30~60%程度 [電気代が年間20万円、月平均400kwh、うち仕事用200kwhの場合]
200kwh ÷ 400kwh = 0.5(50%)
20万円 × 0.5 = 10万円
水道、ガス代 使用割合など 数%~20%程度 [水道代が年間6万円、使用割合が10%の場合]
6万円 × 0.1 = 6,000円

もちろん絶対にこの通りでなければならないわけではなく、あくまでも相場です。個人事業主によっても詳細は異なりますし、税理士によっても考え方はまちまちです。税務署の担当者によってもチェックの仕方は異なるでしょう。

それくらい基準が曖昧なので、相場にある程度合わせることと、突っ込まれたときにきちんと説明できる理由を用意しておくことが重要です。たとえば床面積の考え方でも、作業場だけを計算に入れるのではなく、トイレや作業の合間に何か飲むための冷蔵庫の面積を含める考え方もります。

そのためいろいろと理屈をつけていけば家賃の家事按分を100%にできてしまいそうですが、それはやりすぎだということです。イメージとしては、なるべく得をするための理屈というよりは、相場に合わせる、もしくは相場よりも少し得をするための考え方といったところでしょう。

謙遜して低く設定する必要はありませんが、ムキになって大人げない屁理屈で高く設定すると税務署に突っ込まれてかえって面倒なことになるかもしれないということです。

白色申告ではチェックが厳しくなる可能性がある

白色申告では、家事按分の税務署側の判断がやや厳しくなる傾向にあります。具体的にどのくらい厳しくなるかですが、基準自体は曖昧です。過去の事例で言えば、家事按分の割合に対して厳しくなるというよりは、家事按分が50%以下の項目がそもそも認められない事例がそれなりにあったようです。

そのためネット上では白色申告では家事按分50%以下のものは認められない、と説明しているサイトもありますが、これは事実ではありません。きちんと事業に使用しているという根拠があれば、50%以下の事業按分でも経費として認められる可能性が高いでしょう。税理士の方や元税務署職員の方のサイトなどでもそのように解説されています。

会計ソフトに家事按分を設定できる

毎月の帳簿に家賃、ネット代、水道光熱費などを計上していくはずですが、毎回、もしくは確定申告時期に家事按分を計算するのは多少面倒かもしれません。家事按分だけなら電卓やエクセルで計算しても良いかもしれませんが、他の経費や書類のことを考えると、なるべく負担を減らしたいところでしょう。

そこで、会計ソフトを利用すればあらかじめ家事按分を自動計算するように設定することができます。たとえば家賃を入力して自動的に経費を出すことも可能ですし、銀行口座のデータと連動しておけば、家賃、水道光熱費、ネット代などが口座から引き落とされた際に自動で経費を計上してくれます。

これはエクセルでもできないことなので、会計ソフトならではの利便性です。この他にも会計ソフトには様々な利便性があるので、導入を検討される方はぜひ以下の記事をご参考ください。

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