ゴリマッチョの筋肉はでかすぎてスポーツには使えない、細マッチョの方が女性にモテる、男性受けを狙うならゴリマッチョ!などなど、ゴリマッチョと細マッチョが対比されることは多いです。
私はある程度科学や医学による根拠を元に筋トレを実践し、少ない労力で肉体改造しているのですが、ゴリマッチョvs細マッチョ論争に関しては、「両極端すぎる」「イメージだけが先行しすぎている」と感じています。
ゴリマッチョと細マッチョは二分割できるものではなく、またトレーニング内容が違うわけでもありません。このページでは、ゴリマッチョを目指すのと細マッチョを目指すのでは何が違うのか、どのように考えれば良いのか、などについて解説します。
【この記事の要点】
- ゴリマッチョと細マッチョの作り方の違いはカロリー収支
- ゴリマッチョは筋肥大優先
- 細マッチョは脂肪燃焼優先
- 最終的にはバランスの問題
- スポーツでは筋肉が邪魔になることもある
違いはカロリー収支
ゴリマッチョはハードにトレーニングしている、細マッチョは軽い筋トレ、といったイメージがあるかもしれません。実際細マッチョの方が体作りが簡単なので、軽い筋トレで十分ということはあります。
しかし、一番大きな違いはカロリー収支です。まったく同じ筋トレメニューでも、食事の内容によってゴリマッチョにも細マッチョにもなります。
カロリー収支について詳しくは、以下の記事をご参考ください。
基本的には、摂取カロリーが多いとゴリマッチョになりやすく、摂取カロリーが少ないと細マッチョになりやすいです。有酸素運動などで消費カロリーを増やす方法もありますが、仕事が肉体労働で毎日10時間以上動いている、といった状況でもない限り限度があります。
なぜなら有酸素運動で消費できるカロリーは意外と少ないからです。そのため食事でコントロールするのが基本となります。有酸素運動とダイエットの関係について詳しくは、以下の記事で解説しています。
有酸素運動のダイエット効果は高くない?複数の観点から分析します
ゴリマッチョは筋肥大優先
ゴリマッチョになるためには、筋肥大を優先させる必要があります。つまり、摂取カロリー > 消費カロリーの状態にします。これにより筋肉が成長します。有酸素運動に関しては、不要でしょう。
有酸素運動は筋肥大を促進するという意見もあれば、阻害するという意見もあります。しかしいずれにしても影響は小さいと考えられ、それよりも筋トレのみに筋肉を集中させるためには有酸素運動で無駄に筋肉を疲労させるのは避けた方が良いでしょう。
また自重ではゴリマッチョは目指せない、という意見がありますが、これは半分正解で半分不正解です。たしかに自重で負荷の軽い筋トレではゴリマッチョになれませんが、自重でも負荷が大きければ筋肥大できます。
私自身自重筋トレのみですが、体重は20kgくらい増えており、世間的には一応ギリギリゴリマッチョの部類だと思います。(168cm,80kg,体脂肪率10~15%くらい)
ちなみにトレーニングメニューは以下です。
自宅でできる!筋トレ上級者におすすめのメニューを厳選して紹介
自重でも大きい筋肉を作ることが可能で、筋肥大とともに体重が増えれば負荷も自動的に上がるのである意味効率的です。また上の記事で紹介しているよりもさらに強度の高い自重トレーニングメニューもあります。
自重は工夫次第で人類未到達の領域まで負荷をかけることが可能なので、自重で負荷が足りなくなることは一生ありません。自重筋トレとウエイトの比較については以下の記事で解説しています。
細マッチョは脂肪燃焼優先
細マッチョを目指すのであれば、脂肪燃焼を優先させる必要があります。つまり、摂取カロリー < 消費カロリーの状態にします。例外的に、元の体型が細身の場合は、細マッチョを目指す場合も最初は筋肥大を優先し、摂取カロリー > 消費カロリーの状態にします。
また元の体型が太っている場合は有酸素運動を行うことで消費カロリーを増やし、脂肪燃焼を促進させるのも有効です。ただし筋トレと食事制限のみで細マッチョを目指すことも可能なので、有酸素運動は必須ではありません。
逆に有酸素運動のみでやせようとすると筋肉まで燃焼され、細マッチョというよりはマラソンランナーのような細身の体型になります。
また細マッチョは筋持久力が重要だからレップ数(筋トレの回数)を増やすと良い、という意見をたまに耳にしますが、完全に間違いです。上で説明した通りゴリマッチョと細マッチョの作り方の違いはカロリー収支で、レップ数の多い筋トレは単純に非効率なだけです。
細マッチョを目指す場合も、少ないレップ数で追い込む筋トレが良いでしょう。
筋力と筋持久力の関係については、また別の記事で解説します。
結局はバランスの問題
ゴリマッチョと細マッチョは、完全に二分割できるものではありません。また見る人によっても変わってくるでしょう。わかりやすい例だと、たとえば芸人のなかやまきんに君や春日は、一般的にはゴリマッチョの部類かもしれません。
しかし本格的に鍛えている人や、ボディビルダーと比較すると細マッチョです。これは本人たちも自覚していることでしょう。またジャニーズや軽量級ボクサーの体型は、男性から見ると細身です。
しかし運動経験のない女性から見ると細マッチョかと思います。このように、見る人によっても変わってきますし、区分が曖昧な場合が多いです。
ゴリマッチョを目指すか細マッチョを目指すかではなく、筋肥大と脂肪燃焼を意識して、カロリー収支をコントロールしていけば良いのではないでしょうか。
今よりも絞りたいのであれば脂肪燃焼を優先し、筋肉を大きくしたいのであれば筋肥大を優先します。その上で調整していけば、筋肉量、体重を自由にコントロールできます。
もちろん体型を変えるにはある程度時間がかかり、特に筋肥大はすぐに大きくなるものではありません。私自身は脂肪を増やしすぎないようにある程度注意しながら、基本的に筋肥大を優先しています。
理由は以下です。
- 筋肥大させた方が代謝、成長ホルモンなどの観点から脂肪を削るのが簡単
- 筋肉量が少ないと消費カロリーが下がり、食べ過ぎると太りやすい
- 筋肉量の少ない体は脂肪を削った後は現状維持だけになるのでつまらない
メリットと体作りの面白さの観点から、筋肥大を優先しています。基礎代謝は多少の筋肥大ではそこまで変わらないのですが、筋トレ後のアフターバーン効果や成長ホルモンによる脂肪燃焼効果が大きくなります。
またいわゆる細マッチョはほとんど脂肪を削る作業で、食べるのを多少我慢すれば簡単になれます。その後現状維持だけのために運動をするのはつまらないので、徐々に筋肉を大きくすることを考えています。
ただし筋肉を大きくするとお洒落等の観点からはデメリットもあるので、そこは個人の好みでしょう。ゴリマッチョと細マッチョのどちらがモテるかについては、別の記事で紹介します。
筋肥大がスポーツの邪魔になることはある
筋肉をでかくしすぎると動きが悪くなる、ボディビルダーの筋肉は使えない、といったことがよく言われますが、これは半分正解で半分不正解です。なぜなら、スポーツの場合それぞれの競技に適した体型、筋肉の付き方があるからです。
長距離走などの有酸素運動系の競技はもちろん筋肥大して体を重くすると不利になりますし、野球なども肩周りや大胸筋、広背筋を大きくしすぎると腕の可動域が狭くなります。野球の場合、ピッチャー、打者、野手、で最適な筋肉の付き方が異なったりもします。
サッカーも上半身の筋肉を大きくしすぎると競技の邪魔です。クリスティアーノロナウドはサッカー選手にしては筋肉量が多いですが、それ以上筋肉を大きくしないようにトレーナーに指示された、という話を聞いたことがあります。
上半身の筋肉が重すぎるとステップを切ったり細かい動きをするのに遠心力で大きく振られて不利になるでしょう。
ラグビーなどもポジションごとに体型が違っていてわかりやすいです。フォワードの中でもプロップ(1番、3番)などはとにかく筋肥大させて体を大きくしますが、バックスはステップで相手をかわすことが重要なのでそこまで大きい筋肉ではありません。
もちろん一般人に比べたら大きいですが、フォワードのように120kg、130kgの体にすることはなくて、重くても100kg程度、90kg程度の選手が多いでしょう。器械体操のように自分の体重を支える競技はもっとわかりやすくて、動きに必要な筋肉のみを発達させ、いらない筋肉はなるべくそぎ落とすのが基本です。
たとえば下半身の筋肉を大きくしすぎても重くて不利になるので、小柄で細いのに大胸筋、三角筋、広背筋、上腕二頭筋、上腕三頭筋、腹筋、など特定の部分のみ筋肥大した独特の体型をしています。
まとめると、大きい筋肉は使えるが、邪魔になる可能性もある、ということです。そのためスポーツに必要な筋肉を鍛えたい方は、筋肉の動きや部位を理解した上で、必要部位のみ鍛えることが重要です。
大胸筋が引っかかってバットが振りにくい、とかはNGです。ちなみに私は大胸筋のせいでじゃっかんバットが振りにくいです。右打ちだとスイングに入る動作で左の大胸筋が引っかかり、振りぬくときに右の大胸筋が引っかかります。