フィットネスブームも定着して、生活の中に運動習慣を取り入れている方も多いかと思います。しかしすでに運動習慣のある方もそうでない方も、「いまいち効果を実感できない」「今やっている運動は本当にダイエットに効果的なのか」「これから運動を始めるにあたって何をやろうかな?」といった悩みや疑問を持っているかもしれません。
せっかく運動習慣を身に付けて継続するのであれば、効率的に痩せられるものがベストです。もちろんどんな運動であれやらないよりはやった方が良いのですが、運動の効果を考えたり適宜内容を見直すことで、より効率的に痩せられます。
そこでこのページでは、多くの方が疑問に思っている、有酸素運動のダイエット効果を中心に解説していきます。
また私は有酸素運動を否定しているわけではなく、高校の頃は陸上部で中距離を専門にしていたこともあります。記録もそれなりで、400mが50秒をギリ切るくらい、800mが2分をギリ切るくらい、1500mが4分15秒くらい、といった感じでした。
3000m以降になると極端に遅くなり、9分30秒、5000mはもっと遅くて16分30秒くらいだったと思います。高校が長距離に力を入れていたので練習メニューは毎日10km~20kmのペース走が中心だったのですが、この程度のタイムです。
今ある程度筋肉の知識を身に付けた上で考えると、逆に短い距離はほとんど練習していなかった割には早かったと思います。
なので体質的に短距離向きで距離が伸びると明らかに才能はなかったのですが、それでも有酸素運動が苦手というわけではありません。
そのうえで実体験と理論を交えて解説していくので、ぜひご参考ください。
有酸素運動とは
「そんなの知ってる」という方はスルーで問題ありません。一応簡単に紹介しておくと、有酸素運動とは、「ある程度長時間継続して行う運動」のことです。もう少し詳しく言えばエネルギーの供給回路の定義があるのですが、それは知らなくても良いと思います。気になる方は調べてみてください。
有酸素運動の具体例としては、以下のようなものがあります。
- ウォーキング
- ジョギング
- 水泳
- サイクリング
- エアロビクス
有酸素運動の対義語は無酸素運動ですが、無酸素運動は筋トレなど「短時間で強い力を発揮する」運動です。
ダイエットの基本
有酸素運動のダイエット効果の前に、ダイエットの一番重要な基本について説明します。人間が痩せるためには、摂取カロリーと消費カロリーが以下のようになっている必要があります。
消費カロリーが摂取カロリーを上回っていれば痩せ、逆に摂取カロリーの方が多いと太っていきます。細かい話をすると、過度な食事制限により体が飢餓状態になって痩せにくくなったり、計算通りやっているのに痩せないケースもあります。
いずれにしても体が飢餓に備えて消費カロリーを極端に抑えている状態です。ダイエットを成功させるためには、摂取カロリーを抑えるか、消費カロリーを増やす、または両方を同時に行う必要があるのです。
ただし無理をすると体調を崩すだけでなく、効率が悪くなります。なぜなら体が飢餓状態になり、低燃費な状態になるからです。消費カロリーが抑えられて脂肪を体に蓄積するようになるので、ダイエット効率が悪くなります。
有酸素運動のダイエット効果
有酸素運動のダイエット効果は、「消費カロリーを増やすこと」です。摂取カロリーがまったく同じなら、消費カロリーが多い方が体脂肪は燃焼していきます。
有酸素運動にプラスの面があることは間違いないのですが、マイナス面として注目すべきは以下のポイントでしょう。
- 消費カロリーが劇的に増えるわけではない
- 有酸素運動をするとお腹がすく
消費カロリーが劇的に増えるわけではない
まず有酸素運動を行うことで消費カロリーは増えるのですが、実は思っているよりも消費カロリーは少ないかもしれません。具体的な数字を紹介しておきます。
有酸素運動の種類 | 強度 | 体重 | 時間 | 消費カロリー |
ウォーキング | 時速4.0km | 70kg | 30分 | 110kcal |
ランニング | 時速8.0km | 70kg | 30分 | 305kcal |
ランニング | 時速8.0km | 60kg | 30分 | 261kcal |
水泳 | ゆっくり平泳ぎ | 70kg | 60分 | 390kcal |
運動の種類、強度、体重の条件を変えていくつか例を挙げてみました。運動の強度を上げるとそれだけ消費カロリーも増えますが、持続するのが大変です。持続できるレベルまで強度を落とすとなかなか消費カロリーが増えないので、有酸素運動で消費カロリーを増やすのはなかなか骨が折れることがわかります。
ちなみに、普通に生活している人の消費カロリーの例も挙げておきます。
身長 | 体重 | 年齢 | 性別 | 身体活動レベル | 1日の消費カロリー |
170cm | 65kg | 30 | 男 | 普通 | 約2500kcal |
160cm | 60kg | 40 | 女 | 普通 | 約2300kcal |
基礎代謝は消費カロリーよりも1000kcal程度落ちますが、生活に必要な消費カロリーも含めると上記のようになります。
有酸素運動を行うことで、これに消費カロリーがプラスされるイメージです。効果がないということもなければ、劇的に効果があるわけでもない、といったところでしょう。
また脂肪を1kg燃焼させるのに必要な消費カロリーは7200kcalです。摂取カロリーを消費カロリーが7200kcal上回れば、脂肪が1kg燃焼するということです。ただしダイエット方法を誤ると脂肪よりも筋肉が落ちてしまうので、後述します。
有酸素運動をするとお腹がすく
有酸素運動を毎日継続すれば地道に消費カロリーが増えるので少しずつ痩せていくと考えられます。しかし、有酸素運動をするとお腹がすきます。
少し極端な内容ではありますが、メンタリストのDaiGoさんの動画内で詳しく解説されています。
おにぎり1個でも180kcal程度はあるので、たとえばランニングしてお腹がすいたからおにぎりを食べると、消費したカロリーの半分以上を摂取してしまうことになります。おにぎりを2個食べれば消費カロリーを摂取カロリーが上回ります。
このように有酸素運動をしてお腹がすいた分食べてしまうと、簡単に摂取カロリーが消費カロリーを上回ってしまうということです。
よほどハードな有酸素運動をしない限り、劇的に痩せていくのは難しいでしょう。ただし過度な有酸素運動は上で紹介した動画のように、活性酸素等のデメリットを受けることになります。
老化を促進させる可能性があるので、あまり好ましくはありません。
筋トレと食事制限中心のダイエットがおすすめ
ダイエットのための運動として真っ先にイメージするのは有酸素運動かもしれませんが、上記の通りデメリットがあり、なおかつ有酸素運動だけで痩せるのは難しいです。そこでおすすめの方法は、筋トレと食事制限中心のダイエットです。
筋トレは有酸素運動ほど空腹感を増長させず、むしろ食欲を抑える効果があると言われています。仮に食べる量が変わらなかったとしても、ダイエット効果があります。
筋トレのダイエット効果
筋トレそのものの消費はカロリーは多くありません。基本的に短時間で終わるものなので、筋トレの消費カロリーには期待しない方が良いでしょう。ではなぜ筋トレにダイエット効果があるのかについてですが、それには以下のような理由があります。
- 成長ホルモンの分泌で脂肪燃焼が促進される
- テストステロンの分泌で脂肪燃焼が促進される
- エストロゲンの分泌でスタイルが良くなる
- 筋肉が付くのでかっこいい、美しい体型になる
筋トレ自体の消費カロリーは少ないのですが、ホルモンバランス、体型を変えることで、脂肪燃焼、スタイルアップの効果があります。筋トレの健康効果などについて詳しくは以下の記事をご参照ください。
逆に有酸素運動と食事制限だけで痩せた場合、筋肉も一緒に落ちてしまいます。運動をせずに食事制限のみを行った場合も同様で、代謝の悪い体になります。
これは有酸素運動と無酸素運動で使う筋肉に関係しているのですが、これについて詳しくは以下の記事で紹介しています。
遅筋と速筋の違いは?ダイエット目的なら速筋を鍛えた方が効率的
また「筋トレをするとむしろ筋肉が増えて太るのでは?」という疑問があるかもしれません。それについて詳しくは以下の記事で解説しています。
筋トレと食事の関係
筋トレと食事の関係について簡単に言えば、以下のようになります。
・筋トレをしながら食事制限する → 筋肉量を維持しながら脂肪が燃焼する
・筋トレをして普通に食事をする → ある程度筋肉を増やしつつ、ある程度脂肪を燃焼させる
厳密には各栄養素の働きなどがあるので違うのですが、ざっくりとわかりやすくまとめる上記のようになります。詳しくは上にもリンクを貼りましたが、以下の記事をご参照ください。
筋トレ中心にした方が楽に痩せられる
有酸素運動には消費カロリーを増やす効果があり、ダイエットに役立つかもしれません。しかし時間がかかる割にメリットが少ないのも事実なので、特に時間が限られている方は筋トレの方に集中するのがおすすめです。
筋トレして2~3日は成長ホルモンが活性化しているので、ダイエット効果だけでなくアンチエイジング効果なども期待できます。また筋肉をあまり太くしたくない場合は、筋トレしながら食事制限すれば筋肉量を維持しつつ脂肪を燃焼させることが可能です。
また筋トレはジムに行かなくても自宅でできるので、おすすめの方法を厳選して紹介した記事を貼っておきます。
自宅でできる!筋トレ初心者におすすめのメニューを厳選して紹介