デスクワーカーは筋トレに有利!肉体労働の場合と比較

デスクワーク

マッチョが多い職業と聞いて、どのような職業をイメージしますか?おそらく多くの方は、建築現場、引っ越し、解体業、消防士、自衛隊、警察官、などをイメージするかと思います。

これらの職業の方が、運動不足の人に比べて筋肉量が多いことは間違いありません。普段から体を動かしているので、ある程度筋肉が発達しているからです。

しかし、実はすごくマッチョな人は少ないです。消防士などはある程度筋肥大を狙って鍛えている可能性がありますが、それでもだいたいの場合細マッチョ、細身で引き締まっている、といった程度です。

筋肥大を狙うのであれば、実は体を動かさない職業の方が有利なのです。また筋トレダイエットについても、脂肪を燃焼しやすい体を作る、という意味では体を動かさない職業の方が有利です。

このページでは、なぜデスクワーカーの方が筋肥大、筋トレダイエットに有利なのかということについて解説します。ちなみに一時的なダイエット、仕事を継続している間のダイエット効果に関しては肉体労働の方が有利なので、それについても詳しく解説します。

【この記事の要点】

  • 肉体労働はカタボリックになりやすい
  • デスクワーカーはアナボリックを維持しやすい
  • 有酸素運動よりも筋肥大の方が長期的にはダイエット効果が高い
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カタボリックとアナボリック

アナボリック

なぜデスクワーカーが筋肥大に有利なのか理解する上で、最初に知っておくべき概念がカタボリックアナボリックです。

カタボリックとは

カタボリックとは、エネルギー源(糖質、脂質)が不足することで、筋肉が分解されてしまう作用です。極端な食事制限によりエネルギーが不足した場合や、長時間の運動によりエネルギーを使い切ってしまった場合に起こります。カタボリックを日本語にすると異化です。

アナボリックとは

アナボリックはカタボリックの逆で、エネルギー源が体内にあり、筋肉が合成されている状態です。アナボリックを日本語にすると同化です。

肉体労働が筋肥大に不利な理由

肉体労働

肉体労働が筋肥大に不利な理由は以下です。

  • 肉体労働はカタボリックになりやすい
  • 作業は筋肥大より効率重視
  • 体が疲れて質の高い筋トレができない
  • 体が疲れて筋トレ意欲が起こりにくい
  • 小さな怪我でも仕事に支障が出る

以上の理由から、肉体労働は筋肥大に不利です。それぞれについて詳しく見ていきます。

肉体労働はカタボリックになりやすい

肉体労働は体を動かしている時間が長いため、カタボリックになりやすいです。作業中空腹状態になることも多く、仮にこまめに食事を摂ったとしてもすべてを消化吸収できるわけではありません。

摂取カロリー自体が多くてもエネルギーにできる分量は限られているので、カタボリックで筋肉が分解され、なおかつエネルギーにできなかった分の摂取カロリーが体脂肪として蓄積される可能性もあります。

作業は筋肥大より効率重視

肉体労働で、ある程度の筋肉が身に付くことは間違いありません。しかし、そもそも筋トレのために作業しているわけではなく、あくまでも効率重視です。

私自身引っ越しや建設現場でアルバイトしていた経験がありますが、現場の方はなるべく力を使わなくて済む効率的な方法を模索しています。そして基本的にそんなに筋肉隆々なわけではなく、むしろあまり筋肉のない人ほど効率的に作業するのがうまい、いわゆる仕事のできる人だったりします。

また作業に使う筋肉は限られていて、たとえば前に押す筋肉である大胸筋はほとんど使われません。

体が疲れて質の高い筋トレができない

肉体労働は1日中動き回ることになるので、体に慢性的な疲労が溜まっています。筋トレは基本的にフル回復した状態から一気に追い込むことが重要です。詳しくは以下の記事で解説しています。

筋トレは短時間の方が効果的!長時間の筋トレは明らかに非効率

だからこそ10回程度で限界の来る負荷が良いのです。しかしたとえば肉体労働後に筋トレをすることは、自重の浅い腕立て伏せを10,000回した後にベンチプレスをしようとしているようなものでしょう。

質の高い筋トレをするのは難しく、ほとんど有酸素運動になってしまっています。

体が疲れて筋トレ意欲が起こりにくい

体が疲れていると、肉体的に質の高い筋トレができないだけでなく、精神的にも筋トレ意欲が起こりにくいです。筋トレするならゆっくり休みたい、寝たい、というテンションになります。

小さな怪我でも仕事に支障が出る

肉体労働の場合、筋トレでどこか痛めたりしてしまうと仕事に支障が出ます。たとえば骨折などはデスクワークでも明らかに影響が出ますが、手首や足首を少し痛めたくらいならデスクワークだとそれほど支障がありません。

多少タイピングしにくくなる、歩くときに微妙に痛い、くらいで済むでしょう。しかし肉体労働の場合、手首、足首、指などを痛めると厄介です。また仕事に支障が出るのを恐れるあまり、本気で筋トレできない、筋トレを楽しめない、といったことが起こります。

怪我ではなく単純に筋肉痛や疲労も仕事に影響するので、肉体労働と筋トレの並行は難易度が高いと言われています。

デスクワーカーが筋肥大に有利な理由

デスクワーカーの筋肥大

デスクワーカーが筋肥大に有利な理由は以下です。

  • デスクワーカーはアナボリックになりやすい
  • 体の疲れがないので質の高い筋トレができる
  • 筋トレ意欲が起こりやすい
  • 小さな怪我なら仕事に支障がない

それぞれについて解説していきます。

デスクワーカーはアナボリックになりやすい

デスクワーカーの仕事が楽というわけではなく、私自身デスクワーカーなので大変さはある程度わかっているつもりです。特に脳には負担がかかり、考えなければならない、集中しなければならない、思い通りにいかなくてストレスを感じる、といったことは多々あるでしょう。

また肉体的にも、肩凝り、腰痛、眼精疲労、などがあるかと思います。このようにデスクワーカーにも精神的、肉体的疲労がありますが、少なくとも肉体労働のようにエネルギー不足にはなりません

つまりアナボリックを維持できるので、筋肉が成長しやすい環境です。

体の疲れがないので質の高い筋トレができる

上記の通りデスクワーカーにも疲労がありますが、筋トレで鍛えたい大きい筋肉が疲労するわけではありません。筋トレの疲労とはまったく別物で、むしろ筋トレがストレス解消やリフレッシュになる可能性も高いでしょう。

人間の体は脳と体をバランスよく疲労させることが重要で、これは不眠解消などにもつながります。睡眠と筋トレの関係について詳しくは、以下記事で解説しています。

筋トレと睡眠の相関関係!相乗効果が認められている

筋トレ意欲が起こりやすい

ずっとデスクに向かって作業していると、体を動かしたい気分になることがあるかと思います。これは人によるかもしれませんし、毎日というわけでもないかもしれません。しかし少なくとも肉体労働で体が疲労しきっているよりはやる気が出るはずです。

筋トレ頻度に関してはいろいろな意見がありますが、週2、3程度でも十分に筋肥大します。むしろ毎日の筋トレはオーバーワークです。気が向いたときに筋トレする方法が個人的にはおすすめで、私自身気まぐれに筋トレしています。

小さな怪我なら仕事に支障がない

筋トレの方法にもよりますが、特に体の末端部分を微妙に痛めることはよくあることです。私は筋トレの一環として簡単なアクロバットも取り入れているので、指や手首を少し痛めることがあります。

肉体労働だと仕事に支障がでますが、デスクワークなら多少タイピングしにくいこともあるくらいで、大きな支障にはなりません。ちなみに私がやっている筋トレメニューは以下です。

自宅でできる!筋トレ上級者におすすめのメニューを厳選して紹介

有酸素運動の効果は肉体労働の方が上

有酸素運動

肉体労働はカタボリックや疲労の問題から筋肥大には向いていませんが、有酸素運動としての効果は高いです。有酸素運動は短時間では効果が薄く、ダイエット効果を出そうと思えばかなり長時間やる必要があります。

しかし肉体労働の場合1日中有酸素運動をやっているに近い状態なので、必然的に消費カロリーは多くなります。時間、労力、長期的メリット、といった観点から有酸素運動でのダイエットは非効率なのですが、肉体労働ほどの有酸素運動量を行えば、仕事を続けている間は痩せやすい環境と言えるでしょう。

ただし、筋肉を付けた方が成長ホルモン、代謝、などの関係で長期的に太りにくい体を作ることができます。肉体労働を一生継続するならそれで体型維持できるかもしれませんが、少ない労力で効率的に痩せたいのであれば、ダイエット目線からも有酸素運動よりも筋トレをおすすめします。

また長時間の有酸素運動を繰り返せば、体は飢餓状態から脂肪を溜めこみやすい体質になります。「肉体労働からデスクワークに転職したら一気に太った」「だからやっぱり肉体労働の方が運動になって体に良いと思う」といった話をよく耳にします。

一理あるのですが、実は肉体労働をやっていた頃に体が脂肪を蓄えやすい体質になっていて、辞めた途端一気に太っている、という面も大きいのです。それならデスクワークをしながら筋トレをやった方が長期的に見ればメリットが大きいのではないでしょうか。

有酸素運動のダイエット効果について詳しくは以下の記事で解説しています。

有酸素運動のダイエット効果は高くない?複数の観点から分析します

基本は休憩!たまに筋トレ!

リラックス

筋トレを含めて運動している人は、「とにかく時間があったら運動した方が良い」「運動しないと時間がもったいない」「少しでも追い込んで早く成長したい」といった気持ちがあるかもしれません。

だいぶ見直されてはいるものの、今でもスポコンの文化があり、とにかく辛く厳しいトレーニングを積んだ方が良いというイメージがあるからでしょう。

しかしこれは大きな間違いで、基本的に体を休ませ、体がフル回復したら筋トレする、くらいが正解なのです。これは筋肥大目的の場合はもちろん、筋トレダイエットが目的の場合も長く筋トレしてもあまり意味はありません。

おすすめはできませんが、それなら長時間の有酸素運動でひたすら消費カロリーを増やす方が良いでしょう。もちろん代謝が落ち、時間と労力の割に効果が一時的な分おすすめはしません。

とにかく体を動かすのではなく、正しい知識を身に付け、リフレッシュも兼ねて数日に一度短時間だけ筋トレするスタイルがおすすめです。

私自身もこのスタイルで、短期間の割に筋肥大に成功している方だと思います。正しい筋トレの知識について詳しくは、以下の記事をご参考ください。

筋トレに必要なのは知識だけ!根性も時間もお金もいらない!

また体を休ませることが重要ですが、座りっぱなしだと体に悪影響があります。寝たり座ったり立ったり姿勢を変えながら体を休ませるのがおすすめです。長時間デスクワークしている方は、昇降式のスタンディングデスクを取り入れると良いでしょう。

詳しくは以下の記事で解説しています。

スタンディングデスクのメリットとベストな使い方

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