筋トレする時間がない、仕事が忙しい、といった意見はよく耳にします。しかし、筋トレに時間がかかるという考え自体が間違いです。短時間で済ませた方が筋肥大には特に効果的で、なおかつ自宅でもできるので5分~10分程度で終わります。
このページでは、なぜ筋トレは短時間で終わらせた方が良いのかについて解説します。
また筋トレで鍛えるべき部位については以下の記事で解説しています。
筋トレは大きい筋肉を鍛えた方が効率的!BIG3で鍛えられる部位とは
自宅でできる筋トレメニューをまとめた記事は以下です。
フリーランスは自宅で筋トレ!簡単メニューから超ハードメニューまで
筋トレ=無酸素運動で速筋繊維を鍛える運動
運動を大きくわけると以下の二つに分類されます。
- 無酸素運動
- 有酸素運動
有名なので、ご存じの方も多いかと思います。わかりやすく陸上競技で説明すると、短距離走は無酸素運動、長距離走は有酸素運動です。短時間で行う瞬発的な運動が無酸素運動で、長時間持続的に行う運動が有酸素運動です。
また無酸素運動では速筋、有酸素運動では遅筋が鍛えられます。速筋繊維を鍛えることで初めて筋肉は太くなります。ダイエット目的で筋トレしている方でも、成長ホルモン、テストステロン(善玉の男性ホルモン)、エストロゲン(女性ホルモンの一種)の増加により痩せやすい体になります。
筋肥大が目的でも、脂肪燃焼が目的でも、短時間の筋トレで筋肉を追い込むことが重要です。有酸素運動を否定しているわけではありませんが、有酸素運動はかかる時間の割に消費できるカロリーが少ないです。
ダイエット目的の場合補助的に有酸素運動を行うのは有効ですが、筋トレと食事制限に力を入れた方が効率的でしょう。カロリー収支について詳しくは以下の記事で解説しています。
無酸素運動と有酸素運動の区分
短時間の瞬発的な運動が無酸素運動、長時間の持続的な運動が有酸素運動ということでした。しかし、厳密にどこからがどっちに分類されるのか判断するのは難しいです。厳密には以下のようなエネルギー供給があり、測定すれば無酸素運動と有酸素運動のどちらが優位か判定できるでしょう。
- ATP-CP系
- 乳酸系
- 有酸素系
エネルギー供給について一応紹介しましたが細かく理解する必要はなくて、要するに無酸素運動と有酸素運動を明確に区分するのは難しいということです。たとえば陸上競技の800m走などは、有酸素運動寄りですが無酸素運動の要素も含んでいます。
このように、無酸素運動と有酸素運動の中間的な運動もあるということです。もっと言えば100%無酸素運動、100%有酸素運動ということはなくて、強度と持続時間によって割合が変わるイメージです。
短時間、高強度の運動であればあるほど、無酸素運動の割合が増えるという考え方で問題ないでしょう。
筋トレ時間が長引くと有酸素運動になってしまう
筋トレはだいたい10回前後で限界になる強度が適切と言われています。それ以上負荷を上げると、筋肉を追い込む前にバーベル運動だと上がらなくなってしまいます。まだ余力があるにも関わらず、重すぎて挙げられない状態です。
逆に負荷を下げてしまうと、有酸素運動の割合が増えてしまいます。遅筋を鍛えても筋肉が太くなることはなく、ダイエット目的の場合も成長ホルモン、テストステロン、などの分泌がないため、あくまでも運動時の消費カロリーのみです。
筋トレをすると2日~3日程度成長ホルモンの分泌量が増加し、脂肪が燃焼しやすくなります。有酸素運動にもちろん効果がないわけではありませんが、筋トレでの脂肪燃焼効果と同等の恩恵を受けようと思えば、運動時間が長時間化します。
短時間の筋トレで脳に筋肉が必要だと思わせる
筋トレを短時間で終わらせるべき理由については以下の動画で詳しく解説されています。
「今よりもっと筋肉が必要だ」と判断するからこそ筋肉が発達するのですが、それは脳の働きです。筋トレによる体への刺激を脳が感知して、筋肉が発達します。筋トレを長時間行うと、脳は長時間持続するための遅筋が必要だと判断します。
脳に短時間で強い力を発揮する速筋が必要だと認識させることで初めて、速筋が成長して筋肉が太く成長します。筋肥大が目的の場合はもちろん、ダイエット目的の場合も短時間の筋トレは重要です。
有酸素運動が目的の場合は有酸素運動を、筋トレが目的の場合はしっかり短時間で筋肉に刺激を与えることがポイントになります。
ボディビルダーが長時間筋トレしている理由
ボディビルダーも短時間で筋トレを終わらせる人がいる一方で、長時間筋トレしている人もいます。これは、全身をくまなく鍛えているためです。一般人は大きい部位のみ鍛えて代謝アップ等を狙えば十分な恩恵が受けられるので、わざわざ体の末端の細かい部位まで鍛える必要はないでしょう。
細かい部位を鍛えても成長ホルモンの分泌や代謝アップの効果は小さいので、あまり筋トレの恩恵を受けられません。もちろんコストパフォーマンスがすべてではありませんが、大きい部位を鍛えるついでにある程度小さい部位にも負荷がかかるくらいでちょうど良いのではないでしょうか。
しかし競技者の場合小さい部位も鍛えないと審査で不利になるので、体の中心部を鍛えた後に休憩を挟み、その後体の末端部の細かい筋肉を鍛えています。その結果、休憩や鍛える部位が多くなり、筋トレ時間が長引いています。
このような事情があるので、一般人が時間だけを真似ても上で説明した通り筋肥大を阻害するだけです。大きい部位だけを効率的に鍛えるのであれば、短時間で終わらせることをおすすめします。