現在はIT以外の業界で働いているがIT業界に転職したい、今はフリーターやニートだが、IT業界で正社員にになりたい、といったニーズはここ数年増加傾向にあります。理由としては複数考えられますが、たとえば世の中のIT化がますます加速している、2020年から全国の小学校でプログラミング教育が必修化されるなど、よりプログラミングのニーズが高まっていることが考えられます。
そこでこのページでは、IT業界未経験の人がIT業界に転職することは可能なのか、どうすれば成功できるのか、そして成功してIT業界に入ったとして将来性はあるのか、といったことを解説していきます。
SIerを狙えばハードルは低い!
ひとことにIT業界と言っても、その中でも細分化されます。たとえば以下のようなものが挙げられます。
- Web業界
- ゲーム業界
- SIer
この他にも、IT業界以外の社内SE(会社の中でITを担当する人)や、パソコン教室の講師などもIT業界に含まれるかもしれません。IT業界の明確な定義はないのでITに関連していればすべてIT業界と考えることもできますが、大まかには以上のようになります。
そしてこの中でも未経験者への間口が広いのはSIerです。SIerとは、System Integratorの通称で、顧客企業から依頼を受けてシステム開発を行う業界です。ざっくり言えば、顧客企業に頼まれて業務用システムを作る業界です。
私自身もSIerに数年在籍し、その後独立しました。ちなみに、SIerについてより詳しく知っておきたい方は以下の記事を参考にしてください。
それでは、なぜSIerへの転職ハードルが低いのか、ということを紹介します。
SIerは需要が大きい
日本を含め世界中にプログラマー、システムエンジニアと呼ばれる人たちが存在しますが、少なく見積もっても過半数はSIerに所属しています。つまり、それだけSIerは人を必要としているということです。
世間のイメージとしてはWeb系のベンチャー企業がピックアップされがちですが、全体で見ればWeb系企業の方が少数派です。ちなみにWeb系企業についても明確な定義があるわけではないのですが、インターネット上で便利なサービスを提供しているような企業をイメージするとわかりやすいです。
たとえば、食べログや価格ドットコムを運営しているカカクコム、社長のメディア出演等でも知名度の高いZOZOTOWN、超有名どころで言えばGoogleもWeb系企業にカテゴライズされます。このようにWeb系企業は消費者にとって身近な分目立っているのですが、企業数も人員数もSIerの方が圧倒的に多いです。
Web企業は少数精鋭ですが、SIerは人手不足なので間口が広いです。
SIerは求められる技術レベルが比較的低い
SIerはWeb企業に比べると作業がマニュアル化されているため、技術へのハードルが低いです。そのため、IT業界未経験者、企業によってはプログラミング未経験者でも採用されることが多々あります。
SIerは未経験でも入社しやすいから技術が身に付かないのかと言えばそんなことはなく、基礎的な技術は確実に身に付きます。またSIerに在籍しながら自分でも勉強を続ければ、Web業界やフリーランスへの道も見えてきます。
いきなりWeb業界やフリーランスエンジニアはありか
SIerは未経験者が転職するのに狙い目ということでしたが、いきなりWeb業界を狙うのはダメなのか?いきなりフリーランスにチャレンジしたい、といった声もあるかもしれません。結論としては、一定レベルのスキルがあるなら問題ありません。
または、転職やフリーランスとして活動する前にスクール等で勉強する時間的、経済的余裕のある方ならOKです。オンラインでも通学でも良いですが、スクールに通って集中的に取り組めばプログラミングスキルは身に付きます。
独学でも技術を習得することは可能ですが、最短距離で効率的に学習することを考えるとスクールの方が効率的でしょう。また、独学だとよほど勉強熱心な人でない限り怠けてしまう可能性があります。
独学とスクールの比較については、以下の記事で解説しているのでご参照ください。
今はまだ技術力が足りないけどいきなりWeb業界やフリーランスでチャレンジしたいという人は、まずは勉強に特化するのもありですね。
エンジニアに将来性はあるのか?
これからIT業界を目指すに当たって、エンジニアに将来性があるのかは当然気になる問題です。せっかく勉強して技術力を身に付けても、将来性がないなら頑張るメリットも薄くなってしまいます。
エンジニアの将来性についてはいろいろなことが言われていますが、技術力を含めてスキルアップすれば将来の選択肢は多様です。逆に、エンジニア自身が進化しないと今までよりも厳しい時代になっています。
結局のところIT業界を含め市場の変化の激しい時代なので、良くも悪くも格差が広がっています。IT業界は特に人によって生産性が大きく異なり、機械化されて不要になってしまう技術もあれば、新たなサービスを生み出して大金を稼ぐ人もいます。
具体的に何をどうすれば勝ち組に入れるのかは難しい問題ですが、広い視野とピンポイントでの集中力が必要なことは間違いないでしょう。新たな市場に目を向け、狙ったところで集中力を発揮できるエンジニアは成功する傾向にあります。
より具体的に言えば、需要のある技術、サービスを見つけ出し、そこに対して全力で勉強や仕事をできる人が強いということです。
SIerの将来性は暗い?
SIerを取り巻く環境としては、オフショア開発が進んで人件費は安くなり、また大規模開発というものも減っていくと考えられます。そのため、一生SIerに勤めるという発想はあまりおすすめできません。ただしSIerに勤めるメリットは大きいです。
上でも少し触れたとおりSIerは参入障壁が低く、なおかつITの基礎が身に付きます。私自身SIerに入社し、その後独立してフリーランスエンジニアとして活動しています。
SIerに一生勤めるつもりで入社するとたしかにリスクはありますが、スキルアップのために入社するのであればおすすめできます。単純な話、プログラミング以前にまずパソコンの前で長時間集中して作業することに慣れる必要があります。
私自身あまり集中力のある方ではなかったため、SIerの頃はそれなりに大変なこともありました。おかげでフリーランスになってからも集中して仕事に取り組めているので、プログラミングスキルだけでなくある程度長い時間作業に集中するトレーニングにもなるかもしれません。
むしろパソコンの前で集中して勉強や仕事に取り組めればスキルは後からいくらでも付いてくるので、その集中力が何より重要かと思います。
辞める前提で入社するのも企業には申し訳ない感じがしますが、実際SIerにはそういった人は多く、人の出入りが激しいです。私の周りでもSIerからWeb業界に転職したりフリーランスエンジニアに転身している人は多いので、暗黙の了解です。
現状維持よりも進化を意識することが重要
SIerはダメだ、Web業界なら将来性がある、フリーランスエンジニアは仕事がない、などなど巷ではいろんな噂があります。今後どうなるかある程度予測は立ちますが、絶対的なものではありません。未来のことは誰にもわかりません。
自分の在籍する業界が落ちぶれる可能性もあれば、業界は伸びても在籍している企業がダメになってしまう可能性もあります。また企業が伸びていても、自分自身が戦力外通告を受けるようなこともありえます。
要するに何が起こるかわからないので、自分自身がスキルアップを積み重ね、なおかつ市場に目を向けておくのが最善策かと思います。そうすればたとえば仮に在籍しているSIerのビジネスモデルが崩壊しても、転職したりフリーランスになることが可能です。
そういう意味では、現状維持だけを考えることがもっともハイリスクで、逆に進化し続けることがもっともローリスクと言えます。とはいえ常にスキルアップや市場のことばかり考えていても疲れるので、そういった意識を持ちつつも、リラックスして楽しみながらやっていければ良いかと思います。
転職サイトについてはあくまでも企業と求職者の仲介サービスなので、ある程度優良なサービスを利用すれば大差ないかと思います。いくつか登録しておいて、たまたま良い企業と出会えたらそのまま転職するのがおすすめです。
実際私がIT転職に利用して良かったのは以下の三つです。
ワークポートIT |
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マイナビエージェントIT |
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DODA |
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他にもいくつか利用しましたが、上に挙げたものが利便性が高かったです。また特に働きながらの転職だと先方とのスケジュール調整が難しいです。エージェントを介せばスケジュール調整も任せられるので、社会人の方は特にエージェントをうまく活用した方が良いでしょう。