IT転職は資格があると有利?元IT人事の考察!WEBとSIerでも違いがある

IT人事

業界経験者もそうでない人も、IT系の資格を持っているとIT転職に有利なのか?と考えたことがあると思います。

よくIT業界は動きが早いから自分の市場価値をなるべく高めておいた方がいいよ、そうしないと将来的に食べていけるかわからないよ、なんてことが言われます。

でも市場価値って言われたって何をすればいいかよくわからないし、技術の勉強をしたって陳腐化するでしょ?

そうだ、資格ならある程度普遍的なものだし誰の目からもわかりやすい自分の市場価値になるんじゃないか!といった感じになりがちです。業務そっちのけで資格の勉強ばかりやっている人もいますね。

私自身こんなことを考えたことがありますし、IT企業で人事をやっていて、資格取得に重きを置いている応募者を見てきました。

これらの経験を踏まえて、IT転職で資格保有者が有利なのかどうか、解説していきます。

ちなみに資格というのは国家資格である情報処理技術者や、民間資格のデータベースやプログラミング系の資格を指しています。

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SIerは資格がまあまあ有利に働く

IT資格の中でも有名どころの資格を持っておけば、SIerではある程度有利に働きます。私はSIerで人事をやっていましたが、資格保有者を優先している部分もありました。

SIerってなに?という方は以下の記事をご参考ください。

SIerに転職したい!その前にSIerの種類って?

もちろん資格よりも技術や人間性の方が重要ですが、同じ人なら資格を持っていた方が有利、迷ったら資格が決め手となる、ということはよくありました。

ただし、資格を持っているから実務で役立つ、とは考えていませんでした。私だけでなく、SIerを含むIT業界の人事はだいたいそう思っているはずです。資格試験はあくまでも資格試験の能力を測るもので、技術力とはあまり関係がないということです。

SIerで実務に役立たない資格をある程度重視する理由

資格が実務に役立たないにも関わらず、なぜある程度重視されるのか?という疑問が出てくるでしょう。

この理由を簡単に図式化すると以下のようになります。

SIerは人月単価制 → 人月単価の基準を統一するのは難しい → じゃあ資格が基準ってことでいいや → SIerは人月単価の高い資格保有者が欲しい

こんな感じです。以下に詳しく説明します。

まず、多くの場合SIerは人月単価の契約になっています。人月単価とは、1人当たりの1カ月の単価のことです。

SEを在籍させているSIer企業は、SEを客先に常駐派遣することでお金をもらっています。つまり儲けを増やすためには、派遣するSEの数を増やすか、人月単価を上げる必要があるのです。

ではここで、人月単価がどのように決まるのか、という疑問が出てきます。人月単価の決め方はケースバイケースですが、顧客側がITのプロとは限りません。

またITのプロであっても、一人一人のスキルをいちいち細かく確認して、人月単価を決定するのは面倒です。SIerは人の入れ替わりが激しく、開発現場から人が脱走するようなケースも珍しくはないですからね。

そこで、資格が判断基準になるのです。資格はわかりやすい指標になり、人月単価を決定するのにちょうど良いからです。

〇〇の資格を持っていたらプラス何円、みたいな感じの人月単価設定になっているプロジェクトは多いです。

SEを派遣しているSIer企業は当然人月単価を高くしたいと考えているので、資格を保有しているSEを優遇する可能性がある、ということです。

WEB業界は資格重視ではない

web業界

WEB業界は、SIerと違って資格が有利になる面が少ないです。なぜなら、資格によって顧客からの単価が上がるようなことはないからです。

そもそもWEB業界は人売りではなくて、あくまでも会社で成果物を作って納品、販売することで収益を得ています。

つまり資格の有無ではなく、あくあまでも実力が重要だということです。資格があっても開発ができないと無意味、逆に言えば資格がなくても開発ができればOK、といった考え方になります。

エンジニア以外の職種でも、営業力があるか、プロジェクトをまとめる力があるか、などが重視されます。

結局資格は取得すべきなのか?

IT転職するにあたって、結局資格を取得すべきなのか?という疑問が解決していません。これに関して、申し訳ないのですが明確な答えは出せません。

ただ個人的な意見を言えば、資格取得のコストパフォーマンスはあまり高くない、と思います。資格取得に向けて頑張るのであれば、純粋に開発力を磨くなり他の分野にも目を向けて、ステップアップしていった方が良いかな、という感じです。

私自身基本情報技術者と民間のプログラミング系の資格、データベース系の資格を所有していますが、特に役立っているとは思いません。

基礎力養成という意味で応用情報技術者くらいまでは取得しても良いかもしれませんが、国家資格だとそれ以上のレベルになると勉強時間がかかりすぎるわりにはSIerで多少優遇されるだけなので、コストパフォーマンスが・・・

コスパコスパってうざいな、と思われるかもしれませんが、けっこう重要じゃなのではないでしょうか?

大変な思いをして勉強してもあんまりお金にならない、時間も失う、これだとちょっと報われない気がします。

SIerはオワコン?

そもそもSIerがオワコンならますますIT資格とかいらないよね、という話になります。SIerがオワコンかどうかについて、私はオワコンとまでは言えないかな、と思います。

法的な観点から問題視されていることや、中抜き業者が多くて非効率、といった点から今後縮小していく産業であることは間違いないと思います。しかしスキルアップ等のために一時的に在籍する価値はあると思います。

そういう意味では、資格よりも技術やフリーになった後にどうすれば儲かるか、などに目を向けた方が良いのではないでしょうか。

SIerの将来性について詳しくは以下の記事で紹介しています。

SIerの客先常駐はお先真っ暗?元SIerのSEが考える打開策

資格の比重は今後より下がっていくと予想

資格の比重

SIerが縮小していけば、比例して資格の価値も下がっていくと考えられます。またITは技術の変遷が早いですが、資格の内容が見直されないとますます実際に使われている技術と乖離していきます。

資格の価値が下がる → 資格の内容が改定されない → ますます資格の価値が下がる

このようなループになるとも考えられます。そう考えると、技術志向の人は会社や個人でいろいろ開発してみて、それをポートフォリオとしてアピールした方が良いのではないか、ということです。

私が在籍していたようなSIerでも、資格よりもポートフォリオを重視していました。これからWEB業界ではなおさらポートフォリオ重視になるでしょう。

IT転職におすすめのサービス

IT転職におすすめのサービスは以下です。電話相談も受け付けているので、気軽な相談から始めることもできます。私自身IT業界で複数回転職した経験がありますが、いずれも私が自分で使ってみて良いと感じたサービスです。

ワークポートIT

マイナビエージェント×IT

DODA

この中でどれがベストかは人によりますが、どちらかというとDODAはIT未経験者におすすめ、マイナビエージェントITは比較的経験のある方か若手におすすめ、ワークポートITはその中間かな、といった印象です。

ただしこれはあくまでも私が転職するときに求人をいろいろ紹介してもらって感じたことで、基本的にはどの転職サービスも使えると思います。無料なのでそれぞれ試してみて、一番合うものを継続するのでも良いかもしれません。

実際私も転職するときは複数のサービスを利用して、一番良い求人を出してくれたところに飛びつくような感じで転職を進めました。

ワークポートITは対応の早さが売り

ワークポートはIT業界を得意とする転職エージェントサービスで、対応の早さが売りです。IT経験者から未経験者まで幅広く対応しているので、万能型のサービスと言えます。

ワークポートIT

マイナビエージェントITは若者か経験者におすすめ

マイナビエージェントITは、30歳くらいまでの若手か、IT業界経験者におすすめです。新卒の就活ではマイナビが有名ですが、マイナビエージェントITで取り扱っている求人も重複しています。

その意味では第二新卒などの若手は有利でしょう。ただし30代、40代以降でも業界経験者であれば紹介してもらえる求人数は多いはずです。

マイナビエージェント×IT

DODAはITに強い総合転職サービス

DODAは幅広い業界を取扱っている総合転職サービスです。そのため業界未経験者から経験者まで幅広く企業を紹介してもらえます。

私が利用したときに付いてくれたエージェントはIT業界出身者ではなさそうでしたが、いろいろな企業を紹介してもらえたので満足しています。

在職中の転職活動だったので夜遅くに電話するようなこともありましたが、臨機応変に対応してもらえて助かりました。あとこういうことは書くべきではないのかもしれませんが、美人でした。

DODA

相性も重要

相性

IT転職では資格の比重はわりかし低く、なおかつ今後より下がっていくだろう、ということでした。しかし、特に中小企業などは明確な採用基準がなかったりします。

結果的に、人事が資格を重要視するかどうか判断がわかれたりもします。私が人事をやっていて面接官を担当したときも、意見が割れることはよくありました。

資格のことだけでなく、結局のところ転職希望者と面接官の相性は重要です。とはいえ実際に受けてみないと相性が良いかどうかなどわからないので、ある程度数を撃つのがおすすめです。

面接官も応募者のことを正確に見抜けるわけではなく、特にある程度社会人経験がある人はだいたいいい感じの受け答えをします。

こうなると面接官は直感を頼りにする部分もあるので、応募者は少数の企業の採用結果だけに人生を左右されるのはハイリスクです。

ある程度多めに面接を受けておけばご縁があった企業の中から選べるので、リスク分散の意識は持っておいた方が良いでしょう。

スキルを磨きつつ、企業との出会いを増やしていくことが重要ですね。

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