母親に治療を勧めるために免疫療法について徹底リサーチした

免疫療法について徹底リサーチ

私は埼玉県在住なのですが、先日兵庫県の実家に帰省することがありました。帰省した理由は、母親に免疫療法を勧めるためです。母親はもともと抗がん剤治療を受けていたのですが、副作用の影響が大きく体がボロボロになったこと、結局がんが全身に転移したこと、などの理由から治療を辞めてしました。

そこで父親は何かできることはないかと考え、母親に免疫療法を勧めたそうです。しかし「免疫療法自体よくわからない」「保険適用外なので費用が高い割に効果も不明」といった理由から話し合いがうまくいかなかったそうです。

うまくいかなかったというのは治療を勧めたい側の目線で、母親側から見ると普通に免疫療法を断ったということです。

普段から夫婦であまりコミュニケーションを取っていなかったこともあり結果的に行き詰まり、私と弟が説得のため?に召集されることになりました。私も弟も病気のことについてあまり母親と面と向かって話していなかったため、母親にどのように免疫療法を勧めるか迷いました。

最初は母親に病気のことについてそれとなく切り出し、流れで免疫療法を勧めるようなことも考えました。しかし口頭で免疫療法を勧めるだけだと、情報量が少ないと話が曖昧なまま終了し、逆に情報量が多いと話がややこしくなって混乱すると思いました。

そこでパワーポイントでスライドを作成し、資料化してプレゼンテーションのような形で話すことにしました。最初は弟と役割分担することも考えたのですが、弟は都内で普通にサラリーマンをやっているので忙しいと思い、私が資料作成して後から一応弟に見せる形にしようと考えました。

このページでは、資料化した内容を文章として記載します。

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免疫療法に関する情報は断片的だと気付いた

免疫療法について資料化するにあたって最初に考えたことは、情報をなるべく網羅し、すぐに行動に移せる状態に持っていくことです。情報が不足していると母親も納得できない、またゴールが明確になっていないとすぐに病院に行くことができない、と考えたからです。

そのため免疫療法に関する情報を網羅的にまとめ、最終的に足を運ぶべき病院を提案しようと考えてリサーチを開始したのですが、そこで免疫療法に関する情報は断片的で、まとまった情報が少ないということに気付きました。

結局私はいろいろなサイトや書籍を読み、それらから得た知識をある程度理解した上で、自分の言葉で資料にまとめることにしました。

資料にまとめた内容

以下の項目で資料にまとめました。

  1. がん治療の4つの方法
  2. 免疫療法の4つの目的
  3. 免疫療法のメリット・デメリット
  4. 免疫療法の種類
  5. 免疫療法の副作用
  6. 免疫療法の注意点
  7. 免疫療法の統計データ
  8. 免疫療法を受けるにあたっての課題と解決方法

これらの内容について調べてまとめたので、以降に紹介します。免疫療法について調べている方にとって少しでも参考になれば幸いです。ちなみに以下のようなサイトを参考にしました。

  • 国立がん研究センターがん情報サービス
  • 北新地さくらクリニック
  • 医療法人社団医創会セレンクリニック
  • CTech株式会社がん先端治療
  • 株式会社 同仁がん免疫研究所
  • テラ株式会社
  • ライフライン21がんの先進医療(関根暉彬医学博士)
  • 東京ミッドタウン先端医療研究所
  • 再発転移がん治療情報
  • その他複数のクリニックHP

免疫療法に関する調査報告

もう一度項目を書いておくと、以下のようになります。

  1. がん治療の4つの方法
  2. 免疫療法の4つの目的
  3. 免疫療法のメリット・デメリット
  4. 免疫療法の種類
  5. 免疫療法の副作用
  6. 免疫療法の注意点
  7. 免疫療法の統計データ
  8. 免疫療法を受けるにあたっての課題と解決方法

以上の流れでまとめた内容を記載していきます。

①がん治療の4つの方法

がんの治療方法の主要なものをまとめると以下のようになります。

  1. 外科治療
  2. 化学治療(抗がん剤)
  3. 放射線治療
  4. 免疫療法

まず外科治療は患部を切除する方法です。化学治療(抗がん剤)と放射線治療はがん細胞を破壊していく方法です。がん細胞と一緒に健康な細胞も破壊されるという特徴があります。免疫療法は最初の3つよりも後から出てきた治療方法で、第4のがん治療法として注目されているものです。

もともと体内にある免疫細胞を活性化させてがん細胞と戦わせる、という点で従来までのがん治療方法とは大きく異なります。

②免疫療法の4つの目的

免疫療法には以下4つの目的があります。

  1. 延命
  2. 症状緩和
  3. 寛解
  4. 根治

まず延命は症状の改善や完治ではなく、現状維持のまま長く生きることを目的とします。次に症状緩和は現状痛みやだるさで生活の質が低下している場合、これを改善します。あくまでも現状よりも少し改善することを目的としており、病気を劇的に改善したり、完治させる目的ではありません。

寛解は病状を穏やかにし、快方に向かわせることを目的とします。ただし完治させることまでは目的としません。最後に根治は完全にがんを克服することを目的とします。しかし免疫療法単体で根治させることまでは難しく、実情としては抗がん剤等の他の治療方法と免疫療法を組み合わせて根治を目指すのが一般的です。

③免疫療法のメリット・デメリット

免疫療法のメリット・デメリットはそれぞれ以下のようになります。

【メリット】

  • 副作用が少なく体への負担が少ない
  • 他の治療方法との併用、複数の免疫療法の併用が可能

【デメリット】

  • 効果が実証されていないものがある

まずメリットの一つ目は副作用が少なく体への負担が少ないということです。免疫療法は体内にもともとある免疫細胞を活性化させ、その免疫細胞ががん細胞を倒してくれるという治療方法になります。

抗がん剤のように健康な細胞まで破壊してしまうことがなく、むしろ健康な細胞を活性化させて強化してくれます。そのため副作用が少なく体を健康な状態に持っていきます。

次に免疫療法は抗がん剤などの他の治療方法との組み合わせ、免疫療法同士の組み合わせが可能です。免疫療法単体での力が抗がん剤などに比べて弱いことは事実なのですが、組み合わせることで治癒効果が高まるはずです。

とはいえ免疫療法自体にまだまだ不明確な部分が多いようで、調べてわからないこともありました。免疫療法の種類に関して詳しくは後述します。

④免疫療法の種類

免疫療法の種類分けはいろいろなやり方があって、研究機関や病院によって種類分けの方法が異なります。たとえば薬を使うかどうか、現状維持か現状より症状を改善することを目的とするか、などの種類分け方法があります。

このページではもっともわかりやすかった国立がん研究センターがん情報サービスの種類区分に少し情報を付け足し、よりわかりやすい種類区分でまとめています。

そしてその3種類は以下です。

  1. 免疫細胞の現状維持
  2. 免疫細胞を体外に取り出して増やして戻す
  3. 菌を体内に入れて免疫細胞を活性化させる

簡単に書くと上記の通りですが、それぞれをもう少し詳しく書くと以下のようになります。

  1. 体内の免疫(T細胞など)の活性化を持続、免疫細胞にブレーキがかかるのを防ぐ(免疫チェックポイント阻害薬
  2. T細胞を体外に取り出してから、がん細胞の目印を見分ける遺伝子を入れて増やしてから体に戻す、免疫細胞のアクセルを強める、エフェクターT細胞療法とも呼ばれる(CAR-T療法
  3. 菌を体内に入れることで体内の免疫を強める、免疫細胞のアクセルを強める(サイトカイン療法BCGなど)

私が母親に説明した際には資料の中に各治療方法の詳細をまとめた表を入れたのですが、いきなり各治療方法を細かく理解するのは難しいです。そのため各治療方法の詳細に関してはここでは割愛します。

まずは全体概要をつかみ、より詳しく詰めて情報収集したい方は個別に調べてみてください。

⑤免疫療法の副作用

上でも説明した通り、免疫療法は基本的に副作用が少ないです。しかし免疫療法自体まだ未知な部分も多く、予測できない副作用が発生する可能性も否定はできません。免疫療法は抗がん剤等と併用されることも多いため副作用の原因ははっきりしませんが、以下のような症状が発生した事例もあります。

場所

症状

全身

熱、倦怠感、寒気、かゆみ、不眠、むくみ

頭、首

視力低下、視野欠損、まぶしさ、頭痛、めまい

呼吸が辛い、動機、痛み

消化器

吐き気、嘔吐、食欲不振、血便、下痢

手足

麻痺、筋力低下

⑥免疫療法の注意点

免疫療法には注意点もあり、具体的には以下です。

  • 他の治療方法が可能なのに、免疫療法のみに頼ることは推奨されていない。(抗がん剤などの方が効果が大きいため)
  • 効果が立証されていない免疫療法もあるので、効果の立証された方法を選択する。

以上の注意点があります。免疫療法は自然療法に近いため、悪く言えば効果が不明、薄いかもしれません。そのため可能なら抗がん剤などと組み合わせた方が良いです。次に免疫療法を3種類に区分しましたが、それぞれの種類の中でもさらに具体的な治療方法がいくつかあります。

中には効果が立証されていない免疫療法もあるので、効果が立証されているものの方が確実性があります。

⑦免疫療法の統計データ

免疫療法の統計データは少なくてほとんど見つからなかったのですが、参考になりそうなものが以下です。

千葉県がんセンターで臨床研究されたAKT-DC療法(肺がんの手術を受けた患者の中から、無作為に選ばれた患者にAKT-DC療法を行った)
                    ↓
抗がん剤治療のみの患者の7年生存率が24%
AKT-DC療法と抗がん剤を併用した患者の7年生存率は52%

数値的には、抗がん剤だけのグループよりも、免疫療法と抗がん剤を併用したグループの方が倍以上生存しています。ただし肺がんの進行状況や患者の人数などの詳細はわからなかったので、正直なところ完全に信頼できるデータと言うのは難しいでしょう。

ちなみにCTech株式会社がん先端治療という企業がサイトに掲載していた情報を参考にしています。

⑧免疫療法を受けるにあたっての課題と解決方法

調べた内容は上で説明してきた通りなのですが、残念ながら課題も残りました。

【課題】

どこの病院で免疫療法を受けるのが正解かわからない

免疫療法を取扱っている病院のホームページ等も調べたのですが、過去の治療例や免疫療法の詳細まで書かれているわけではありません。また電話で問い合わせても詳細までその場で聞けるわけではなく、各病院に足を運ぶ必要があります。

そのため、ひとまず解決策としては以下のようにしました。

【解決方法】
効果が認められている免疫療法を取り入れている病院で一度話を聞く
なるべく複数の病院で話を聞く
最終的には病院に足を運んで話を聞く必要があります。また一か所の病院のみで話しを聞くよりも、複数の病院で話しを聞いた方が情報が集まり、また客観的な判断がしやすいと言えます。

結局どうなったのか

私が母親に免疫療法の話をしたのがこの記事を書いているちょうど一週間前で、私自身はすでに埼玉県に戻ってきています。話をした後の母親の反応としては、「一応話には納得しているものの、治療に対して前向きというほどでもない。」といった印象でした。

また私が戻った後、父親と母親はまだ免疫療法について会話はしていないようで、先ほど父親から私に電話があり、「明日母親に免疫療法のことで病院に行く話をしてみる」といった趣旨の内容でした。

がんのことについて面と向かって話をすることに躊躇しているようで、行動するまでに時間がかかっている様子です。今後何か進展があり、なおかつ免疫療法を検討されている方に役立つ内容があれば、免疫療法についてまた書きたいと思います。

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